3月の会津といえば『会津彼岸獅子』投稿日: 2019年3月1日2019年2月27日 投稿者: yumeguriカテゴリー: ブログ 今年は例年にないくらい雪が少ない年でしたが磐梯山や南会津の山々は雪化粧。 会津の長い冬が終わりを告げる3月。 彼岸入りと共に春を祝う会津の伝統行事『会津彼岸獅子』は行われます。 400年以上続く会津の伝統行事。 笛と太鼓の明るい音色にのって3体の獅子が守りつづけられている舞を踊ります。 ≪ 会津彼岸獅子とは ≫ 『彼岸獅子』はいわゆる獅子舞のことですが春の彼岸の入りに合わせて披露されるので会津では『彼岸獅子』の撫で親しまれています。 また、会津若松市無形民俗文化財にも指定され、その文化的価値も広く認められています。 その歴史はとても古く、会津の獅子舞は天喜4年(1056)に源頼義、義家が安部一族を討つ時、家臣の士気を鼓舞するために舞ったともいわれる。 または、義家が八幡神社の分霊を会津に勧請したときに舞ったともいわれる。 天正2年(1574)に疫病が流行り、神に獅子舞を奉納して病気を追い払ったとも。 寛永20年(1643)に保科正之が山形から会津に移封になったとき、一緒に伝えられたと。 正保2年(1654)に那須市野沢より小松の獅子が伝わったとも。 天喜4年から数えれば900年近く根付いています。 ちなみに普通の獅子舞は前脚と後脚それぞれに別れますが、彼岸獅子は一体をひとりで演じます。 獅子頭をすぽりとかぶり、美々しくも艶やかな衣装を身に纏う。 御紋の入った頬掛を巻き、おなかの上にはちいさな筒太鼓(胴鼓)をぶら下げ、両手には箸くらいの大きさの可愛らしいバチを持ち、トコテン トコテン 、拍子をとります。 そうして、三体一組(太夫獅子、雄獅子、雌獅子)となって、その草鞋履きの両の脚で、軽快に大地を蹴って、軽やかに、時に神妙に、練り踊ります。 春を謳歌するこの舞は、豊作と家内安全を祈り30分近くも舞を見せてくれます。 種目もあり三人枚舞と一人舞があります。 三人舞いは、山下ろし、大切り、袖舞、バチ舞、柴さがし、雌獅子隠し。 一人舞いは、弊舞、棒舞、弓くぐり、太夫獅子舞、雄獅子舞、雌獅子舞がありどれも見物。 ちなみに雌獅子にだけは角がないそうです。 ≪ 彼岸獅子と戊辰戦争 ≫ 彼岸獅子と戊辰戦争。一見、無関係の様ですが実は深い関係があるのです。 戊辰戦争が始まると、新政府軍は怒濤のように滝沢峠を越え鶴ヶ城は新政府軍によって包囲されてしまいます。 籠城していた会津藩主・松平容保公は、寡兵たるを案じて8月26日、南の日光口(今の南会津町田島)の守備に当たっていた若干24歳の若き家老・山川大蔵に使者を出しました。 命じて曰く。 「城中兵少なく、守備薄弱なり、速やかに帰城すべし、 但可成途中(ただしなるべくとちゅう)の戦闘を避くべし」 大蔵はただちに帰城の途につき小松集落(今の会津若松市北会津町小松)に差し掛かりました。 しかし城は新政府軍によってぐるりを固く包囲されておりこれを突破せずには入城は出来ません。 そんな時、大蔵は「可なり我に一策あり」として大胆な奇策に打って出ました。 それはなんと『彼岸獅子』と共に堂々入城しようというもの! 大蔵はまず小松村の大竹小太郎に勇気ある独身の男に呼びかけるよう伝えます。 平均年齢は16歳にも満たないそんな若き村人たち。 武装している新政府軍が包囲している死地に赴き、しかも楽を奏で踊りながら行進し入城するという大胆な策。 失敗は即ち死を意味する奇策。 彼らは悲壮な覚悟をもって粛然と「彼岸獅子」の装束、道具類の準備をする。 その覚悟の素晴らしさは言葉で言い表すことは出来ません。 新政府軍を前に「小松彼岸獅子」の一団は涼やかなまでに凛然と、お囃子を吹き鳴らし長州藩と大垣藩の南側を堂々と行進。 この突如として現れた奇怪な一団をただただ、呆然と見送るのみ。 先頭が入城してから、はじめて会津藩兵であったと知ることとなります。 鶴ヶ城に籠城中の山本八重も、きっとこの死を覚悟した行進の一部始終を固唾をのんで見守っていたのではないのでしょうか。 ちなみに小松村の勇士たちは、明治維新後、旧藩主・松平容保公によって、御薬園に招かれ容保公から感謝の言葉を賜ったそうです。 そこで「獅子の頬掛け」と「高張り提灯」に「会津松平家の葵御紋(会津葵)」の使用を特別に許された獅子団でもあります。 会津にある各獅子団の中で会津葵の御紋の使用は現在でもこの『小松獅子団』だけ。 是非、歴史を感じる春の会津。 お囃子の音色につられてお越しください。 ▼開催期間 2019年3月21日 ▼イベント会場名 鶴ヶ城、阿弥陀寺、ほか市内各所 ▼問合せ先・電話番号 会津まつり協会 0242-23-4141 https://www.aizukanko.com/event/82/ ▼アクセス 鶴ヶ城:ハイカラさん・あかべぇ「鶴ヶ城入口」下車、徒歩7分 阿弥陀寺:ハイカラさん・あかべぇ「阿弥陀寺東」下車すぐ 今昔亭FaceBookはここをクリック! 今昔亭インスタはここをクリック!